ユーミンが「荒井由実」だった最後の一枚『14番目の月』

音楽

ライター紹介

べーズ坊主:群馬出身、23歳。変な仕事とライターしてます。インスタはこちら

略歴

荒井由実(現:松任谷由実)

1954年1月19日生まれ/シンガーソングライター
1972年にシングル「返事はいらない」で荒井由実としてデビュー。
1976年の結婚と同時に松任谷由実へ改名。
現在のレーベルはユニバーサルミュージック/EMI Records。(WIkipediaより抜粋)

荒井由実の「郊外感」

荒井由実(以下、ユーミン)をシティポップ(City pop)の文脈の中で語っている人がいるけど、個人的には違和感がある。

もちろん、1. さざ波や、7. 天気雨には、山下達郎や吉田美奈子、大貫妙子といったシティポップを彩るメンバーがコーラスで参加している。

でも、このアルバムを発表した時、ユーミンはまだ独身だったし、スタジオがある都心まで実家の呉服屋がある八王子から通っていたそうだ。荒井由実時代のユーミンのアルバムにはざっくり言ってしまえば「都会感」ではなく、「郊外感」があるのだと思う。

僕は学生時代、この「郊外感」という点でユーミンとリンクしているような気がして、群馬から渋谷までの電車通学の間、このアルバムをずっと聞いていた。

「中央フリーウェイ」は俳句

ユーミンの歌詞が面白いのは、そこに描写力があるからだと思う。

歌詞を書くとき、「内心をいかに吐露し、さらけ出すか」というところをポイントに置くシンガーソングライターは多いけど、ユーミンはあまりその傾向がないのではないだろうか。

どちらかといえば朴訥に、言葉少なく様々な解釈を私たちができるようにしてくれる。それはもう「俳句」のようなイメージだ。

一番僕が好きな歌詞。

中央フリーウェイ 

右に見える競馬場 左はビール工場

この道はまるで滑走路 夜空に続く

『中央フリーウェイ』作詞・作曲:荒井由実


「中央フリーウェイ」とは中央自動車道のことで、競馬場もビール工場も実際に存在する建物。ただ高速道路をドライブしているだけなんだけど、「まるで滑走路」と言われてしまえばなんとなく素敵な、恋人とドライブしている様子が浮かんでくる。

ユーミン 荒井由実 中央フリーウェイ


まさかの白黒動画がyoutubeにあったので持ってきてしまった。

ちなみにバックコーラスは「卒業写真」を歌ったコーラスグループ、ハイファイセット。

めちゃくちゃ好き。

まとめ

ユーミンもまた、バランス感のあるアーティストだ。いろいろな表情を持っていて、いろいろな音を表現できる。

今回、なぜこれほどまでのアーティストになれたのかの一つの理由がわかったかもしれない。

ユーミンには裏がないのだろう。彼女は自分が思ったことを飾り気なしに、自分の言葉で表現できる。だから、僕たちは安心してユーミンの世界に没入することができる。

シンガーソングライターとして最も必要な要素をユーミンは持っているのだ。

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